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労務管理

弁護士 三輪陽介

弁護士 三輪陽介

はじめに

近時、労働関係などの整備が進み、企業の法令順守の意識は急速に高まっていますが、ハラスメント、過労死、メンタルヘルスなどの深刻な労務問題は後を絶ちません。
企業においてこれらの問題に直面した場合、早期に且つ適切に対応しなければ、従業員との間で紛争が発生し、労働審判や訴訟提起されたり、さらには行政指導を受ける可能性あります。
またそもそも、普段から適切な労務管理をしていれば、紛争は未然に予防でき深刻な労務問題が発生しなかったかもしれません。労務問題については、事前予防の見地が極めて重要になっています。
そこで、当事務所が対応させていただく、主な労働法務についてみていくことにします。

就業規則の作成・チェック

就業規則は、経営者と労働者との間の労働条件についてのルール作りを意味しますが、そもそも就業規則が存在していなかったり、また古くなってしまい現在の法改正に対応していなかったりしていることがよくあります。
また紛争を未然に回避するため労働時間・賃金・退職・解雇等の規定を明示し労務管理を行う必要がありますし、他方で賃金・時間等について明確なルールがあれば従業員側も安心して働くことができますし、モチベーションアップ。なお労働者が10名以上存在する職場には就業規則の作成と労働基準監督署に対する届け出が義務つけられています。
当事務所においては、職場にあった、また紛争を未然に防止するための就業規則の作成、見直し・改訂作業、チェックなどを行っています。

具体的な事例

以下、当事務所で過去に対応した紛争事例等をご紹介します。

時間外手当請求

対外的な取引先との間で契約を締結する場合に、相手方から提出された契約書に不利な点がないかをチェックする必要があります。我々の経験からすると、相手方企業から提出された契約書をよく確認しないで締結してしまったことが原因で、契約書に不利な条項があり、後に紛争となり、不利な状況に置かれることが残念ながら見受けられます。
また新しく契約書を作成する場合には、その取引内容の実情、権利関係、相手方会社の規模・特色などを踏まえて契約書を作成する必要があります。
取引先との契約関係は契約書に拘束されますので、専門家によるチェックないし作成が必要です。ご依頼があった場合は、スムーズに契約が締結できるように、ご対応をさせていただいています。

労働時間について

労働時間は1日8時間以内かつ1週間合計40時間以内でなければなりません。これを法定労働時間といいます。時間外労働は原則として違法です。
労働時間とは、使用者の指揮命令のもとにおかれている時間を意味します。労働時間といえるためには会社の明示または黙示の指示の基づき業務を行ったことが必要です。

時間外労働が許されるための要件

例外として法定労働時間を超える労働(時間外労働)を行うためには、過半数労働組合(過半数組合がない場合は従業員の過半数代表者)との間で時間外労働・休日労働に関する協定(三六協定といいます。)を締結し、労働基準監督署へ届出をする必要があります。

時間外手当(割増賃金)請求

そして時間外労働を行った場合は、通常の労働時間または労働日の賃金の計算額の25%以上の割合で計算した割増賃金を、休日に労働した場合は35%以上の割合で計算した割増賃金を、深夜(午後10時から午前5時)に労働した場合には25%以上の割合の割増賃金を、さらには1か月の時間外労働の時間数が60時間を超えた部分については同じく50%以上の割合で計算した割増賃金を支払う必要があります。
この割増賃金等を支払っていない場合で労働者が支払を求めた場合、いわゆる時間外手当請求となります。

固定残業代の問題点について

このような時間外手当請求に備えて、時間外手当として定額を支払うこと(固定残業代制度)を採用する会社があります。
このような固定残業代制度はあくまで法定の割増賃金以上の賃金を保障するものと考えられているので、固定された賃金額が実際に労働した時間数をもとに計算された法定割増賃金を常に上回っていることが条件となります。
そこで固定残業代が法定割増賃金の支払いとして有効となるための要件として判例は、①支給される賃金のうち、どの部分が割増賃金に相当するのかが、金額、割合、時間等によって明確に区分した上で明示されていること、②残業代の趣旨で支払われていることが挙げられています。
具体的には法定の割増賃金以上の金額が毎月支払われていることが就業規則や給与明細書などにより明確化されている必要があり、慎重に制度設計がなされる必要があります。

時間外手当を減らす方法

上記のように固定残業制は、法定の割増賃金以上の賃金を保障する制度であり、時間外手当を減らす制度ではありません。また裁量労働制度、管理監督者制度、みなし労働時間制度は法定労働時間の制約が緩和されていますが、適用をうける対象者は非常に限定されています。
従って、時間外手当を減らす方法としては、労働時間を減らすしかなく、そのためには残業禁止命令を出すとともに、実際にその命令通り運用されるよう徹底するしかないと考えられます。

時間外手当(残業代)請求訴訟の争点(論点)

ここでは、時間外手当(残業代)請求訴訟における主な争点を検討したいと思います。

調査・内部通報窓口・監査

時間外手当の請求訴訟では、実労働時間が争点となってきます。労働時間の主張立証責任は労働者側にあります。
実労働時間を特定するための資料として典型的なものは、タイムカードです。判例は、タイムカード等の客観的な資料により時間管理がなされている場合は、特段の事情がない限り、タイムカードの打刻時間を持って実労働時間とされています。会社側が労働者側からタイムカードの提出を求められた場合ですが、タイムカードの提出を求められた場合、提出を拒否しても、訴訟内において文書提出命令等で提出を余儀なくされ、結局は不利な心証を受ける可能性が高いので、任意に開示した上、労働者側の他の主張を否認することを検討した方が良いと思います。
これに対し、従業員自身が作成した日報等はその信用性を肯定して実労働時間を認定するものもありますが、他方でその信用性を否定するものもあります。

固定残業性

残業代請求訴訟においては、会社側から固定残業制を採用しているとの反論をすることが考えられますが、固定残業代についてはこれを採用した経過や理由(事情)、固定額の算出方法の合理性などを、できるだけ具体的かつ明確に説明して、労働基準法上の割増賃金の支払に代替するものであることを主張立証することが必要です。

消滅事項の援用

残業代請求権は、権利を行使することができる時から2年間を経過すると消滅時効が完成します(労働基準法115条)。このように消滅時効期間が経過している場合は、消滅時効の援用ができ、訴訟手続外でもできますが、訴訟において答弁書、準備書面等で消滅時効を援用する旨の意思表示を行うこともできます。

管理監督者にあたるとの主張

労働基準法41条2項は「監督もしくは管理の地位にあるもの(いわゆる管理監督者)」について、労働時間、休憩および休日に関する規定の運用を除外しており、会社側からは労働者が管理監督者に該当する場合は残業代の支払いを免れることが可能となり、かかる主張を行うことが考えられます。
ここで管理監督者とは、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的立場にあるものとされ、その判断にあたっては名称ではなく実態に即して判断がなされています。裁判例(東京地裁平成20年9月30日判決)においては、管理監督者として認められる要件として、以下の通り明確化されたものがあり、参考になります。
①職務内容がすくなくともある部門全体の統括的な立場にあること
②部下に対する労務管理上の決定権につき、一定の裁量権を有しており、部下に対する人事考課、機密事項に接していること 
③管理職手当等の特別手当が支給され、待遇において、時間外手当が支給されないことを十分に補っていること
④自己の出退勤について、自ら決定し得る権限があること

遅延損害金、付加金について

残業代については、遅延損害金が発生するものとされ、それぞれの残業代が支払われるべき月々の賃金支払期日の翌日から年6%の遅延損害金が発生します。また退職している場合、賃金の確保等に関する法律6条に基づいて退職日の翌日から年14.6%の遅延損害金が発生します。
また遅延損害金とは別に、労働基準法114条に基づき、未払いの割増賃金と同額の付加金が発生し労働者側から請求がなされることがあります。
この付加金は、使用者側に対する制裁的な側面があり、付加金の支払命令をするかどうかは裁判所の裁量に委ねられています。裁判所は使用者側の未払いの理由や態度、労働者側の態度や不利益を勘案し、総合的に考慮して、付加金を命じるか判断します。
そこで使用者側としては残業代を支払わなかったことに理由があり、労働基準法違反は行っていないと主張をするともに、誠意をもって労働者の請求に対応していることを主張する必要があります。

普通解雇

普通解雇

普通解雇は、従業員側に債務不履行事由がある場合や会社に賃金を支払うことができない場合に行われます。

普通解雇の要件

普通解雇が認められる要件は、解雇が法律上禁止されていないこと、解雇事由が存在すること、解雇するだけの「客観的合理的な理由があること」及び解雇することが「社会通念上相当であること」が必要です。
ここで「客観的合理的理由があること」とは、労働契約を継続できないと認められる程度の債務不履行が認められるか否か、最終手段としてやむを得ないと認められるかが検討されます。
また「社会通念上相当であること」は、従業員の事情、他の労働者との均衡、解雇手続の適正さから検討され、解雇が過酷過ぎないかという点から判断されます。

普通解雇の手続き

弁明の機会

普通解雇をする場合は、従業員に弁明の機会を与えるとよいと思われます。

解雇予告期間

普通解雇をする場合は、従業員に弁明の機会を与えるとよいと思われます。
解雇予告期間次に普通解雇をするためには、30日以上前に告知するか、30日分の給与を支払う必要があります。

解雇通知書、解雇理由証明書

さらに解雇通知は後に争いになることを防止する趣旨で、書面で行うとよいと思われます。
また解雇された従業員から請求があった場合は解雇理由証明書を交付する必要があります。

具体的事例

整理解雇

普通解雇としては整理解雇が挙げられます。整理解雇では、裁判実務上、①人員削減の必要性、②解雇回避努力の履践、③人選の合理性、③労働者への説明・協議等の続きの相当性という4要件を検討し、その有効性が判断されています。
整理解雇では特に①人員削減の必要性と、②解雇回避の努力を尽くしたかが問題となります。
ここで①人員削減の必要性については、使用者の判断を尊重される傾向があると考えられますが、他方で②解雇回避の努力については配転・出向、希望退職の募集等の解雇以外の手段を試みず、いきなり整理解雇の手段をとった場合は、解雇は解雇権濫用として無効となると解されていますので、注意が必要です。

能力不足

従業員に能力不足や適格性の欠如が認められる場合に普通解雇を行うことがありますが、非常に限定的であると考えられます。具体的は、①従業員の能力不足が重大かつ深刻で、②指導しても改善される可能性がなく、③配置転換しても対象者が遂行可能な業務が社内に存在しないことなどが要件となります。
なお、③については職種を限定していた場合や特殊な地位・経験・能力に着目して中途採用したような場合には、要件については緩和されると考えられています。従って、このような場合には労働契約時にどのような経験・能力があることを前提として採用したかを雇用契約書に具体的に記載しておくと、後々の証拠になると考えられます。
また能力不足については、業務指示書・改善命令書等を交付し、それでも改善されないような場合にはその事実を記録にして保存するようにしておくことが大切です。

普通解雇と懲戒解雇の棲み分け

普通解雇は従業員側に債務不履行がある場合や整理解雇を行う際に行う解約申入れであるのに対し、懲戒解雇は従業員の企業秩序違反行為対する処罰であり、性質は異なります。 ただ、職務懈怠(欠勤、遅刻、早退、勤務態度不良など)、経歴詐称、非違行為、服務規律違反の場合は、債務不履行という側面と企業秩序違反の両側面がありますので、普通解雇と懲戒解雇の相当の対象となります。
普通解雇の場合は30日分の解雇予告手当を支払う必要がありますが、懲戒解雇の場合は除外申請を行うことで解雇予告手当を支払わないで即日解雇したり、退職金の一部または全部を不 払いとすることもあり得ますし、再就職が困難になるなどの従業員にとって重大な不利益が発生します。 
そこでどちらを選択するかが問題となりますが、横領などの刑事罰に該当する悪質性が高い場合には懲戒解雇を選択することが多いと思います。ただし、懲戒解雇は要件が厳しいことに加え、従業員にとって不利益が大きく紛争に発展する可能性が高いことから、悪質性がそれほど高くないと考えられる場合には、普通解雇を選択することがベターと思われます。
なお、懲戒解雇と普通解雇のどちらか一方を選択しなければならないことはないため、懲戒解雇をする場合も、後に懲戒解雇が無効であると判断される場合に備えて、予備的に普通解雇の意思表示を行っておくことがよくあります。

懲戒解雇

懲戒解雇

懲戒解雇は、懲戒処分の中でも最も重い処分であり、退職金の全部又は一部の不支給や、解雇予告手当の不支給などを伴うことが多く、労働者にとって極めて重大な影響を及ぼします。また経歴にも傷がつくことになり、再就職にも深刻な影響を及ぼします。このことが原因で紛争になりやすく、注意が必要です。当事務所も相談を受けることがよくありますので、みていきたいと思います。

懲戒解雇の要件

懲戒解雇の有効要件としては、①就業規則において懲戒処分の根拠規定が明記されているここと、②懲戒解雇事由に該当すること、③相当性が認められること、の3点が要件となります。
懲戒解雇する場合には、特別の根拠、就業規則における懲戒処分の根拠規定が必要です(①)。
また労働者がした行為が、就業規則に定められている懲戒事由に該当する必要があります(②)。裁判所は、就業規則上の懲戒事由を、限定的に解釈する方向にあります。
さらに、懲戒解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、懲戒権の濫用として無効となります(③)。これについて裁判所は労働者の違反行為の程度が、解雇されてもやむを得ない程度の悪質なものか否かの観点や、企業側がその労働者に対して指導・警告を段階的に行い、改善の機会を与えたか等も検討されます。また他の従業員との関係で平等な取り扱いをしていたかも検討されますし、労働者に事前に弁明の機会を与えたか否かの手続の相当性も検討されます。

具体的事例

懲戒解雇の有効要件としては、①就業規則において懲戒処分の根拠規定が明記されているここと、②懲戒解雇事由に該当すること、③相当性が認められること、の3点が要件となります。
懲戒解雇する場合には、特別の根拠、就業規則における懲戒処分の根拠規定が必要です(①)。
また労働者がした行為が、就業規則に定められている懲戒事由に該当する必要があります(②)。裁判所は、就業規則上の懲戒事由を、限定的に解釈する方向にあります。
さらに、懲戒解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、懲戒権の濫用として無効となります(③)。これについて裁判所は労働者の違反行為の程度が、解雇されてもやむを得ない程度の悪質なものか否かの観点や、企業側がその労働者に対して指導・警告を段階的に行い、改善の機会を与えたか等も検討されます。また他の従業員との関係で平等な取り扱いをしていたかも検討されますし、労働者に事前に弁明の機会を与えたか否かの手続の相当性も検討されます。

業務命令違反

業務命令違反は懲戒処分の対象となりますが、それが1回だけであれば企業秩序遵守義務違反はそれほど大きくないので、まずは口頭での注意や書面での警告を行い、それでも繰り返す場合は懲戒処分を検討することになります。
そして業務命令違反を理由とする解雇が認められるのは、業務命令に違反する行為が悪質であり、会社の企業秩序に現実に侵害しあるいは現実的かつ具体的な危険性を有していることが必要です。
また、一つ一つの非違行為はそれほど重大ではなくとも、業務命令違反が繰り返され、相当回数におよび指導や是正勧告を重ねても改善の余地が認められないような場合は、解雇が認められる可能性があります。
但し、懲戒解雇は制裁として重すぎると判断される可能性があります。そこで軽い懲戒処分を繰り返して、徐々に重い懲戒処分を行うという段階を踏む必要がありますし、事案によっては予備的に普通解雇処分の意思表示を行っておくことが良いと思われます。

経歴詐称

判例では、JAVA言語のプログラミング能力がほとんどなかったにも関わらず、同能力があるかのように説明して採用して経歴詐称が問題となったケース(東京地裁平成16年12月17日判決)があります。
使用者には、採用の自由がありますから、使用者が採用希望者を採用するかどうかの判断するにつき、必要かつ合理的な範囲で申告を求められた事項について、労働者は真実を告げる信義則上の義務があると考えられます。
そこで裁判例ではその経歴詐称が、使用者の採用方針との関係でどの程度重要なのか、その経歴詐称がなければ採用しなかった可能性がどの程度あるのか、経歴詐称よって実際の業務に生じた支障があるのか、その経歴詐称によって効果的な人員配置・研修等が阻害されたかどうかなどが検討されます。

社内での不正行為や犯罪行為

社内での横領・窃盗や背任、暴行・傷害などの犯罪行為や、上司によるセクハラやパワハラなどの事案が挙げられます。
このような犯罪行為や不正行為は、その不正行為を従業員が行ったことについて十分に立証できる資料を保全する必要があります。
不正行為が企業活動に与えた悪影響や、その行為の悪質性、類似の不正行為を過去にも行った経験があり注意・指導を行っていたことなどの事業を立証し、懲戒解雇処分が相当であることを主張・立証していく必要があります。

ハラスメント

はじめに

ハラスメントを原因とするメンタルヘルスに関する被害が増加しています。
会社は、業務の遂行に伴う疲労や心理的負担等が過度に蓄積して従業員の心身の健康を損なうことがないように注意する義務、安全配慮義務を負っており、その義務の一環としてハラスメント対策を講ずる義務(職場環境配慮義務)があります。
メンタル被害が発生した場合、被害を受けた従業員が職場復帰をすることは容易ではありません。ハラスメントを予防する措置を講ずるとともに、仮に発生した場合でも早期に解決することが極めて重要となってきます。

セクハラとは

セクハラ(セクシャル・ハラスメント)とは、相手方の意に反する性的言動のこととをいいますが、労務問題でのセクハラは職場でのセクハラが該当します。
職場でのセクハラには①対価型セクハラと②環境型セクハラがあり、①対価型セクハラとは性的要求を要求したことなど性的な言動に対する労働者の対応を理由として雇用上不利益な扱いをすることをいい、②環境型セクハラは、労働者の性的な情報を流布することなどの性的な嫌がらせにより職場環境を悪化させることをいいます。
セクハラについては、雇用機会均等法11条が、会社に対し、セクハラの防止と苦情処理のための雇用管理上の措置を講ずることを義務づけています。

パワハラとは

パワハラ(パワー・ハラスメント)とは、同じ職場で働くものに対して、職場上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務上の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。
パワハラについては、セクハラのような防止措置義務を定める法律措置義務はなく、会社側が講じるべき措置が明確とはいえません。そこで裁判では、個別の事情に応じて、会社が不法行為責任等を負うか検討されています。

ハラスメントの予備措置について

上記のように、ハラスメントについては、発生してしまう従業員の職場復帰は難しくなってしまうことが多いので、事前の防止措置を講ずることが大切です。

ルールの明確化

まず、ハラスメントを防止するためにはルールを明確化することが重要です。就業規則にセクハラ・パワハラなどを禁止する規定を設けることはもちろん、相談窓口や苦情処理手続を定めたセクハラ・パワハラ防止のための内規や、マニュアルを制定することが考えられます。

研修

またハラスメント防止のための研修も有用です。研修では、どのような行為がハラスメントにあたるのか、ハラスメントは何が悪いのかいけないのか、ハラスメントによってどのような責任を負うのか、ハラスメントの被害を受けた場合の対処方法を、説明することが有効です。

相談窓口

相談窓口の設置も有効であるといえます。従業員が気軽に相談できる相談窓口を設置することがハラスメントの初期段階での発覚に有効です。

その他

相談窓口の設置も有効であるといえます。従業員が気軽に相談できる相談窓口を設置することがハラスメントの初期段階での発覚に有効です。

ハラスメントが発覚した場合

残念ながらハラスメントが内部通報などで発覚した場合、会社側としては、深刻な事態になる前に、早急に被害者の職場環境を整える必要があります。
仮に、被害者と加害者との間で言い分が食い違うなどの場合でパワハラの存在が確認できない場合も、職場環境を良好に保った上、被害者の希望を聞いた上で、業務上の関わりを減らしたり、被害者の配置転換の措置等を検討する必要があります。
なお、裁判例では、結果的にハラスメントが確認されなかった場合でも、申告者(従業員)に対する安全配慮義務があると判示された事例があり(さいたま地判平成27年11月18日)、参考になります。

損害賠償請求が提訴された場合

セクハラやパワハラについて労働者が会社に対して損害賠償を請求する場合は、不法行為に基づく損害賠償請求(民715条使用者責任)、または職場環境配慮義務違反を根拠とする債務不履行に基づく損害賠償請求がなされることになります。
これに対し、会社側としては、セクハラ行為が会社の事業所外でなされた場合や勤務時間外に行われたとして会社の業務とは無関係に行われたとして責任を負わないと反論することが考えられます。また男女機会均等法第11条の指針に基づく指針に基づく措置を十分にとったうえ、会社側が職務環境を配慮する義務を尽くしていると反論することが考えられます。
他方で、パワハラについては適切な教育・指導の範囲内の行為であり、相当な方法であることなどを社内規定や報告書などを示しながら反論していくことが考えられます。