2020.10.06
経済産業省中小企業庁は、中小企業再生支援協議会による「新型コロナウイルス感染症特例リスケジュール」(以下「特例リスケ」といいます。)という支援策を創設し、本年4月1日から運用を開始しています。今回は、特例リスケ制度の概要について、ご紹介させていただきます。
中小企業再生支援協議会(以下「支援協」といいます。)は、収益性のある事業を有しているものの、財務上の問題を抱えている中小企業の再生を支援するため、産業競争力強化法に基づき、国の公的機関として都道府県ごとに設置されています。支援協では、財務上の問題などを抱える中小企業者からの相談を受け付け、事業改善の見通しがあり支援協が必要と判断した場合には、中小企業診断士、弁護士、公認会計士、税理士などからなる個別支援チームを結成し、具体的な再生計画策定の支援がなされてきました。
新たに創設された特例リスケでは、新型コロナウイルス感染症の影響により、資金繰りに苦しむ中小企業者を支援するため、支援協が事業改善の可能性の検討を待たず、主要債権者の支援姿勢を確認の上で、一括して元金返済猶予の要請を実施することとなりました。特例リスケ計画が成立すれば最大で1年間のリスケジュールが可能となります。このように、従来からなされていた再生計画策定支援よりも支援の対象が拡大されていることが特例リスケの特徴となります。
さらに、特例リスケでは、支援協が金融機関と中小企業者の間に入って、積極的に新規融資を含めた金融機関調整・合意形成の支援が行われます。また、特例リスケ計画成立後においても、支援協は毎月資金繰りを継続的にモニタリングし、必要に応じて、通常の再生計画策定支援へ移行し、本格的な再生支援まで一貫した支援を受けることが可能となっています。
当事務所においても、資金繰りに苦しむ中小企業の皆様からご相談を受けた場合は、特例リスケによる支援を受けることについても積極的に検討し、必要に応じて支援協への相談に同行するなど、中小企業の皆様を全力でサポートしたいと考えております。
まずは、お気軽にご相談ください。